笑いましょう!

断捨離

 いつも冷蔵庫のドアを開けるたびに思う。「あ〜、これとうとう食べなかったな」。

 冷蔵庫の奥に密かに隠れていた韓国で買ったビビンバの味噌。贈り物にいただいたドレッシング。何年も眠ったままのらっきょうの甘酢漬け。幾瓶もある海苔の佃煮。はまった証を刻む数種類の食べられるラー油。
 なんでこんなにいっぱいあるの?と目を疑う青のりの特大パック。一度しか食べなかった赤だしの赤味噌の残り。「使うから、いつか使うから」と言ってとうとう使わなかったはちみつ。缶詰だからと長年ほったらかしにしていたオイルサーディン。真空パックだからとなめていた賞味期限が一年も経ったハム。化石化してしまったチーズ。キンキンに冷え切ってしまったピクルスの大瓶。瓶に入った得体のしれない液体…。

 ゆうべの夜中、母と2人で断捨離を決行した。「えーい、こんなもの!こんなもの!」「どーかどーか!」「いらんいらん!」「捨てる捨てる!」

 人はものを捨てるとき、異常なまでに気が荒くなる。まるで、ケンカをしているような興奮ぶりだ。怒りの矛先は冷蔵庫。「お前が何も言わないからこうなったんだ」と冷蔵庫に責任転嫁しながら、過去と別れるように沢山のいらないものを捨てた。

 すっきりした冷蔵庫の中には、いつも食べる味噌と漬物、納豆だけとなったが、おととい、アシスタントだったえっちゃんが持って来てくれたスイカを冷やすことができた。冷凍室のお肉を解凍するスペースもばっちり。何より全体を見渡すことができるので、不必要なものが一目瞭然。つーか、そもそも冷蔵庫は食べるのに必要なものを保冷するものである。そのことにあらためて気づかされた真夜中の断捨離であった。

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すっきりとなった冷蔵庫。しかし、なぜか食べ物を左右に置いてしまう。これが後々、食べ物を化石化させてしまうんだよな。

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マスクの下に

 うちのアシスタントのえっちゃん。彼女は風邪などひいてはいないが、菜菜美が風邪だったのでマスクをはめさせた。

 この顔で「知ってますか?『マスク合コン』って」と話しかけてきた。何やら、マスクで顔をふせながらやる合コンのことらしい。「お願いします」「はい」が成立したらお互いマスクをはずすのだとか。なんじゃ、それ。

 まるでイカサマ同然じゃないか。マスクを外したら『あしたのジョー』の丹下段平みたいな出っ歯だったらどうするんだ?バカボンのパパのような鼻だったら、歯茎が口の中の3/4をしめていたら、うけ口だったら…。

 うけ口と言えば日曜日、たまたま見たテレビの『新婚さんいらっしゃい』の新婚さんのご主人が見事なうけ口だった。その人の名前がなんと『ウケグチ』さん。桂三枝も椅子からコケたが、私もテーブルについた肘がズルッとなった。大笑いした。

 いや、うけ口の人が嫌いというわけじゃない。うけ口の人で悪い人は見たことない。たいがい優しくて愛嬌があっていい人が多い。そういった意味では、見た目で安心できるところはある。だって、うけ口のヤクザって迫力ないしね。

 話は飛んだが。マスク合コンねぇ…。そんな妙な出会い方をしなくとも、正面からぶつかればいいものを。目元を隠すのがいいのか、口元を隠すのがいいのか。あなたなら、どちらの合コンに参加する?私の場合、体型をさらすだけで無視されそうだが…。

 

アシスタントのえっちゃん。そんなネタばかり拾ってこなくて、早く結婚しろ!

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ひょえ〜

 もう本日は、具のねも出ません。あごがガクガク(仕事の電話でしゃべりすぎ)、指は痛いし(パソコンのキーボード叩きすぎ)、この時間になっても飯は食べてないし。

 あー、しんどい…。ライターの廣木よしこから仕事の電話が。「かずさん、どーしたの?かなり疲れてる?」「おー、びろぎぃ(廣木)、助げでぐれー!」「どうしてほしい?」「私に若さと時間をおくれでないか」「……。ごめんね、かずさんに分けてあげる若さが私にはないよ。カツカツの歳だし、私にも時間がない…ごめんねぇ」

 廣木のそんな愛らしいなぐさめに、心が癒やされた。ご飯、ごちそうしてあげよ。

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モリ…シンイチ…です

 菜菜美がとうとうやらかした。ついに風邪をひいてしまった。お母さんとばーちゃんの風邪の看病を健気に遂行した菜菜美だったが、おそれていた通りいただいちまった。

 「大丈夫かい?」とみんなは心配するも、「早退しろ」「早く寝なさい」「明日は遅い出社でいい」と口々にうるさい。本当はうつされるのが怖いのだ…。

 菜菜美の声がかれてしまって出ない。それでも仕事先の人と電話で話す菜菜美。見ているそばから可哀想になる。そんな菜菜美の代行をしようと、えっちゃんと二人で電話作業。「松本が声が出ないので代わって電話してま〜す」とガラガラ声の私に、あんまり変わらないんじゃ?と言う人も。

 「すみません…」。ペコペコと頭を下げる菜菜美の声はすごいハスキーボイス。そこでちょっくら「その声で森進一の真似をしてみろ」と遊んでみる。

 「コンバンハ、モリ…シンイチ…です」。その間といい暗げな雰囲気といい合格!みんなで「やれるじゃないか、お前もっ!!」と、肩を叩いて褒めてあげる。

 本日は早上がりの菜菜美。帰りしな「モリ…シンイチ…カエリマス…」とぼそっと言い、背中を丸めて森進一は帰っていった。早くよくなれっ!

風邪をひいた菜菜美。みんなが近寄らないのでさみしそう…。

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さげもん

 女子ばかりの福永家。母と私、スタッフのえっちゃん菜菜美、そしてネズとタロちゃん、み〜んな女の子。

 毎年、福永家では、みんなの幸せを祈って「さげもん」を飾る。十数年前、柳川で買ったもので三体さげていたけれど、ひとつはパリのお友だちのお嬢さんたちにさしあげた。

 友人のお嬢ちゃんたちはパリ生まれのパリ育ち。パパはステキなイタリア系フランス人だ。ただ、半分は日本人の血が流れているのだから、大和撫子の真似事でもしてもらいたいとパリを訪れたときにお土産に持って行った。

 3月3日を過ぎたらお飾りはその日のうちにしまわなければならない。嫁に行くのが遅くなるからだそうだ。私の場合、もうすでに関係ないのでなにを今さらと思うのだが、えっちゃんと菜菜美がいるので母はひな祭りの日には、さっさと片付けている。
 しかし。脳天気に昼飯を食ってるやつらを見ていると、そこまで神経質になる必要もないのではと思う。「結婚したら」「結婚するまでは」が彼女たちの口癖だが、その前に男を見つけてこいっ!つーんだ。

 パソコンの前で、サッカーのオールジャパンの選手の情報をクリックしては「この人がいい」だの「こいつはどうもねぇ」なんて油打ってるひまはねーぞ!

2女の子の日、ひなまつりに飾る「さげもん」。三番叟やヨチヨチ人形、花、動物、手まり、果物といった布の小物が列をつなぐ。

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一つ一つ全て手作りのさげもんは、毎年、この季節になると玄関に飾られる。

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にわとり、金魚、桃、ねずみ、米俵。豊作と長寿、幸せを祈って飾られる。

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鬼は誰

 毎年豆まきをする。忙しい仕事場へ母がやって来て、「豆まきするばい!」と号令をかける。原稿仕事やデザインで頭がいっぱいのところへ、面倒なこった、と無視すると、「福が来んばい!福が。さぼると不幸なことになるぞー!」と母に脅されて、みんなでしぶしぶ豆まき。

 「鬼はー外!福はー内!」。やってみると、やっぱ面白い。みんなでストレス発散とばかりに豆をまく。菜菜美などは豆を食っちゃ投げ、投げては食う。

 写真に撮ってあげようと玄関に出てカメラを向けると、三人が私に向かって「鬼はー外!」と豆を投げつけるではないか…。
 日頃の恨みつらみ、不満、憎しみがこめられた豆は痛かった…。

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私に豆を投げつけようとするえっちゃん、母、菜菜美。

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上履き入れ

 少し前、阿蘇一の宮の『etsu』で懐かしい『上履き入れ』を見つけた。赤いそれを手にした途端、走馬燈のように幼い頃のことが駆け巡った。

 小学校の頃、土曜日になると各自上履きを家に持ち帰り洗濯してこなければならなかった。正しい小学生は、一週間に一度きちんと持ち帰っては月曜日には洗い立ての白い上履きを履いていたものだ。

 私は数ヵ月も平気で放置していた。とうとうヤバイ…と、中敷きがベタベタに汚れた上履きを持って帰るときれい好きの母が狂ったように怒った。「触るのもいやだ!」と母はわめき、近くのスポーツ用品店に新しい上履きを買いに行かされたもんだった。それから土曜日の朝には、必ず上履きを持って帰るよううるさく言われた。

 それでも忘れる。そしていつしか、学校の机の横でブラブラと所在なく揺れていた私の上履き入れは友だちとの連絡ボックスになっていった。

 「●●君は●●ちゃんが好き」「リカちゃん人形を持ってこようね」「放課後はバレーボールの特訓」「テストの点数が良かった方の答案用紙を交代で家の人に見せ合おう」。こんなことばかり書き合っていたと思う。当時、『サインはV』というバレーボール選手のドラマが人気で、私たちは「夕日の中の特訓」に命をかけていたのだ。

 くだらないメモが上履き入れの中にいっぱいになる。そうこうしていると母から「上履きはっ!」と催促される。うっかり上履き入れに汚れた上履きを持って帰るとメモの全てが露見され「あんた、学校でなんばしょっとっ!」としこたまこづかれた。

 古い上履き入れを手にしながら、怒られてばかりの小学校の頃を思い出した。

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懐かしいなぁ、ジャングル大帝レオ。手にするとちっちゃい上履き入れ。小学生の頃は、もっと大きく感じられた。私の上履き入れはバンビの絵だった。

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いばらの会

 「たいふういっか」というワードを天気予報で聞いたことがあると思うが、その昔私は「台風一家」だと勘違いしていた。台風はなぜか家族構成になっていて、最も激しいときが父親、弱まる頃が子どものしわざで、母親が台風の目だと勝手に解釈していた。正しくは「台風一過」。こんなんで、よくぞライターになれたと思うのだが。

 しかし東京にいる友人の編集者は、「自律神経失調症」を「自立神経出張中」と認識していた。意味的にはそう遠くはないが、マジ顔でカミングアウトされたひにゃ慰めようがなかった。その友人は、「野中の薔薇」を「夜中の薔薇」と歌っていたとも告白した。ちなみに私たちは共にB型である。はて、薔薇と言えば…。

 母校のOB会は『のいばら(野薔薇)会』と呼ばれている。案内状が届くも一度も顔を出したことがない。数年前、母校の「ご意見の会」なるものが学校及びOB関係者で結成され、なぜか私も委員として選出された。各自、自分が何者かの挨拶をしなければならず、あろうことか私は「毎回、『いばらの会』にご案内いただいているにもかかわらず…」と口にしてしまったのだ。「の」の場所を使い間違えたのである。

 ピキーンッ!と諸先輩や先生方ににらまれたのは言うまでもない。それは凍るような冷たい視線だった。それからというもの長期任務を耐えるようにしのいだ。

 うろおぼえや勘違いはバカにされるだけでなく、ときとして寒々しい事態を引き起こす。言葉は正確に記憶しよう、正しく理解しよう。
 

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野薔薇の花。ドクダミの花にも似ている。私的には含む意味には近いものがある。

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処世術

 小さい頃リカちゃんでよく遊んだ。母はリカちゃん人形一体を与えると「着せ替えの洋服は自分のこづかいでどうにかしなさい」とつっぱねた。小学1年生がそんな大金を持つはずがなく、つまり着せ替えせずに遊べ!ということだったわけだ。

 ばーちゃんにねだると「よしよし」と言って、絣の反物の端切れで着物を縫ってくれたが、リカちゃんは外人風の西郷隆盛にしかならなかった…。

 そこで幼い私は知恵を絞った。的は父だ。父と二人でデートする日があり、このときとばかりにリカちゃんのお洋服を買ってもらうことにした。
 現在の下通ダイエー裏にあった水車の回る『山小屋』というレストランでお子さまランチを食べた帰りは、上通の『銀座玩具』に寄った。お店で「お父さん、大好き!」と抱きつくと、父はよっぽど嬉しかったのだろう、リカちゃんハウス、わたる君やいづみちゃんまで買ってくれたのだった。

 そうやってまんまとリカちゃんの衣装やファミリーは増えていったが、調子に乗った私に「おねだり禁止!」が母から発令されてしまう。

 そういう状況下の中で私は父と密約を交わす。私が欲しいと言ったのではないことにしてくれ、おもちゃは匿名の郵便物で送ってくれ、と…。

 私の「たかりの処世術」は、この時代にしっかりと身についたものである。

Photo_2取材中に見つけたリカちゃんとわたる君。懐かしい幼い日のことが思い出された。

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ハイチーズ?

 『フルニエ』というパン屋さんでの撮影中、ライターさんが「このサンドイッチのチーズは何という種類のものですか?」と質問を投げた。
 すかさず「ハイチーズです」とスタッフの方。??。思わず「それって俺のテリトリーでしょ」とカメラをのぞくモリケンが顔をあげ、反射的に私はVサインをした。

 よくよくうかがってみると「ハイ カマンベールチーズ」という商品名らしく、厨房用語で「ハイチーズ」と呼ばれているもようだ。一同、大爆笑!取材に同行した、実直で穏和で超堅物のK広告社のK氏も、「ムホムホッ、ムホホホ〜」とほっぺを真っ赤にして大笑い。たちまち取材現場が和む。

 こんな取材で大切なのは「つかみ」。お笑いと同じで、笑いがきっかけで取材先の方と打ち解けられる。打ち解けると、なるほど、というお話が聞き出せる。それが読者への興味深い情報となる。だからライターや編集者はお笑いのセンスがなきゃいかん。これは私の哲学であるのだ。『あれんじ』が愛されるのは、現場の楽しさが紙面を通じて伝わるからだと思う。中でもボケとつっこみの“きわみ”はM田編集長だが…。

 M田編集長といえば先日、「リオン君お別れ…」という件名のメールを私に送りつけてきた。なに!あの海老蔵を殴った伊藤リオンが国外退去にでもなったか!(考えてみれば彼は日本人)、もしくは六本木のヤミに杯を返上したか!と興味津々。

 しかし、メールを詳しく読むと、『天草いるかワールド』(天草市本渡)のイルカのリオン君が老齢のためイルカショーが閉鎖されるという記事だった…。
 ま、温度差はあるとしても、こういうタイミングでこんなネタをよこすM田編集長。はかっているのか、たまさか偶然なのか。学ぶべきものはこのセンスである。

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サンドイッチ(右)の白いチーズを「ハイチーズ」と呼んでいるらしい。『フルニエ』(光の森)のパンはどれもおいしい。フランスパンやガーリックパンなどワインに合うパンもいっぱいで、オーナーをはじめ、みなさんとても温かい方々ばかり。

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