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フランス便り

 フランスの色と匂い。『Tien Tien』(阿蘇市一の宮)の冬はよけいにそのエスプリが濃い気がする。スプーンのドアノブ、ミシン、レースの襟、リネン、ホーローの器…。

 ふと、パリのノミの市が思い出される。ポルト・ド・クリニャンクール(モンマルトル近く)の市に行ったことがあるが、大きな市でアフリカ系の移民が多くてちょっとばかし怖かったが、それでも目が慣れてくると掘り出し物がいっぱい並んでいた。

 アルルのノミの市も印象深い。市役所の通りで開かれていた市はじつにのんびりとしていて、レースやリネンが欲しかったが取材旅行だったので荷物になるのをおそれて購入せず、それが今でも悔やまれてならない。

 その市で有田焼の印判の皿が売られていた。おっ…とのぞくと、客が食いついた!とばかりにおじさんがすすめてきた。私にすれば、母国の焼き物がこうしてフランスの片田舎までたどりついたそのことに感動していただけだったのだが。

 誰かの愛蔵品であっただろう、さぞや慈しまれただろう、手放された理由は何だったのか…。来歴の知れないアンティークを眺めながら、多くの人の人生を思うのである。

 はるか海を越えて『Tien Tien』にやって来たアンティークたち。このカフェでフランスのエスプリをストレートに感じるのはきっと、物に宿った人たちの思いこそが匂い立つからだろう。少しばかりフランスを旅した気分になれるのである。

Photo_4 『Tien Tien』のドアノブ。おいしいものが待っているとばかりに、可愛らしい真鍮のスプーンでかたどられている。

Photo_5 何度も付け替えられたであろうレースの襟。使い古された風合いがステキにうつる。

Photo_6 優しい光が差し込む。ミシンを踏む初老のご婦人の穏やかな姿を想像してみる。

2 こんなテーブルでアフタヌーンティーを楽しむとおいしいだろう。

6 オーナーのパートナーであるママンの産着だそうだ。大切なものだ。

3 Jpg ホーローの器たち。ずいぶんと使い込まれた風合いに温かさを感じる。

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コメント

断捨離進行中ですが、
とっておきたい物はやはり、とっておくといいものですね~。
シンプルにそして大切に生きていく・・。
むずかしか~。
物欲のかたまりだけん・・・。

投稿: おたか | 2010年11月21日 (日) 22時23分

<おたかさんへ>
大切なことは、
思いも一緒に捨てないことよね。

昨日、おじから天皇陛下即位記念の
10万円銀貨を生きがたみにもらった。
すぐにお金にかえようとした
罰当たりな女は私です。

投稿: かずこ | 2010年11月22日 (月) 09時10分

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